奈良公園 糞虫探索記 - ルリセンチコガネ, カドマルエンマコガネ

子育て(6)

奈良公園には約1200頭の鹿がいて、毎日合計1トンものフンをします。そのフンを掃除してくれるのが、糞虫(ふんちゅう)です。奈良と言えば大仏と鹿、誰も糞虫の話題を口にしませんが、簡単に見つけられるのでしょうか。子供の教育がてら、探しに行ってみました。

奈良のシカ
「奈良のシカ」は所有者のいない野生動物であり、国の天然記念物でもある

糞虫と聞くと、あまり馴染みのない言葉なのでイメージが湧きづらいですが、主に哺乳類のフンを餌とする昆虫を指し、食糞性コガネムシとも言います。あの有名なフンコロガシも糞虫の一種です。

奈良公園のある春日山一帯は古くから信仰の場であり、春日大社の主祭神の建御雷命(たけみかづちのみこと)が鹿島神宮から遷る際に白鹿に乗ってきたという伝説から、奈良の鹿は「神の使い」とされています。

そんな神の使いのフンを食べ、奈良の街を清潔に保っている糞虫は特別な存在のはず、もっと注目されても良いと思います。

カドマルエンマコガネ
カドマルエンマコガネは、フンの処理能力が高く動きも敏捷。地図を見る

実際に糞虫を探してみると、毎日1トンものフンを処理しているだけあって、確かにあちこちにいました。糞虫は鹿のフンの下に潜り込むので、棒きれでフンをめくれば案外簡単に発見できます。乾いたフンよりも、程よく湿ったフンのほうが遭遇率が高かったので、どうやら糞虫にも好みがあるようです。

息子と二時間ほど探索し、30~40匹の糞虫を見つけました。種類はカドマルエンマコガネとオオセンチコガネの二種類です。オオセンチコガネの「センチ」は「雪隠(せっちん=トイレ)」に由来していますが、確かに奈良公園全体が鹿の雪隠と言えます。とても感慨深い名前です。

オオセンチコガネは緑色と瑠璃色のものがいました。瑠璃色のものは「ルリセンチコガネ」と呼ばれ、近畿(奈良県・三重県・和歌山県)の一部地域に分布しているそうです。

瑠璃色とは天の色であり、とても貴い色です。春日山一帯にルリセンチコガネが多いのは、神の使いである鹿のフンを食べているせいでしょう(笑)

ルリセンチコガネ
ルリセンチコガネは、見事な瑠璃色の輝き。地図を見る
息子とルリセンチコガネ
息子とルリセンチコガネ。体長は16-22mm

最近は鹿の頭数が増えすぎて、鹿による農業被害が深刻になってきています。もし糞虫がいなければ、鹿の糞害も問題になるでしょう。

神の使いである鹿のフンを毎日1トンも食べ、奈良の街を清潔に保っている糞虫。彼らは奈良の街に必要不可欠な存在です。私たちは彼らの活動にもっと目を向け、感謝しなければなりません。

食事中のルリセンチコガネ
奈良の街で、ひっそりと懸命に生きる糞虫たちに感謝!
Posted by 米田むー

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