妖怪生物多様性とは - 土着の神・妖怪と自然との関わりを考える

妖怪生物多様性(3)

妖怪生物多様性とは、生物多様性に土着の神や妖怪のような霊的な存在を加えた概念。環境保護にスピリチュアルな視点を取り入れて、人々に「自然への畏敬の念」を呼び覚まし、環境破壊を抑止することを目的に当ラボが作った造語です。

土着の神や妖怪の中には、地域の自然環境と共生しているものがあります。たとえば田の神という農耕神は、稲作を中心とする緑豊かな農耕地帯の中にあり、稲作の順調な推移を見守り、秋には豊穣をもたらします。

里人は田の神を信仰するなかで「自然への畏敬の念」を育み、生き物の住処となる田んぼ・ため池・水路などの農業用施設を含む、生物多様性に富んだ里地里山の自然環境が守られてきたのです。

妖怪生物多様性(概念図)
田の神への信仰と自然環境との関係

ほかにも土着の神への信仰や妖怪伝説が残る場所が禁足地となり、在来の自然環境が手付かずのまま残されていることもあります。

たとえば、東京の高尾山には植生豊かな天然林が広く残されています。これは高尾山が古くから山岳信仰の対象となり、薬王院の寺領が大規模なスギやヒノキの植林を免れたためで、山の神への信仰が環境保護に結びついた好例と言えます。

宮古島の来訪神・パーントゥは自然の精霊のような存在です。聖なる泉からとれたドロを身に纏い、人や家屋にドロを塗りつけます。宮古島に今なお豊かな自然環境が残されている背景には、パーントゥがもたらした「自然への畏敬の念」があるのです。

宮古島の来訪神・パーントゥ
宮古島の来訪神・パーントゥ

以上のことから分かるように、土着の神や妖怪のような霊的な存在を「自然の象徴」として畏れ敬うことで、地域の自然環境と豊かな生物多様性を守ることができるのです。

近年は環境問題への関心が高まり、日本各地で環境保護活動が行われるようになりました。しかし自然環境の保護だけでは、ゴミのポイ捨てや生物多様性を脅かす外来種の投棄などの環境破壊は止まりません。

これはもう我々人間だけでは役不足です。今こそ土着の神や妖怪の力をお借りして、人々に「自然への畏敬の念」を呼び覚まし、妖怪生物多様性に富んだ霊気あふれる世界をこの世に再現する時が来ているのです。

Posted by 米田むー

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