新宿正受院。2月8日は奪衣婆と針供養しよう!

妖怪スポット(6) 子育て(6)

新宿二丁目の正受院は、例年2月8日に針供養を執り行う。針供養とは、折れたり錆びたりして使えなくなった針を、豆腐に刺して供養する行事である。

針塚
針供養の日は、針塚の前に大きな豆腐が置かれる

豆腐に針を刺すのは、裁縫仕事で生地などの硬いものに苦労した針に、せめて最後は柔らかいところで休んでほしいという、針の苦労をねぎらう気持ちから来ているそうだ。

東京の針供養といえば浅草寺が有名だが、正受院の針供養は、ただ針を供養するだけでなく、老婆の鬼・奪衣婆(だつえば)に手芸上達を祈願できるという変わり種。一粒で二度おいしい感じがして、おすすめである。

正受院の奪衣婆
正受院の奪衣婆

奪衣婆は、三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼。奪衣婆が剥ぎ取った衣服は木に掛けられ、その重さで亡者の生前の業を計るという。

なぜ、正受院の針供養は、老婆の鬼である奪衣婆に手芸上達を祈願するのだろうか。そのヒントは、奪衣婆の頭に被せられた綿(わた)にある。

正受院の奪衣婆は、江戸時代に流行神となり、子供の咳封じ・虫封じに霊験ありとされた。そのお礼として奪衣婆に綿を奉納する習慣があり、その名残りで正受院の奪衣婆は、今でも頭に大きな綿を被っている。

この奪衣婆の頭に被った大きな綿が、結婚式で花嫁が頭に被る「角隠し」によく似ている。

角隠しは、花嫁の心に潜む「鬼」を封じ込めるためのまじないである。同様に奪衣婆の頭の綿も、奪衣婆の「鬼の心」を封じるためのものであろう。

この奪衣婆の頭の綿が、かつて嫁入りの必須技能だった裁縫仕事を想起させ、奪衣婆に手芸上達を祈るようになったと推察される。

針供養当日のスケジュール

とまあ、妄想はここまでにしておいて(長い)、針供養当日の様子を紹介しよう。

物故者法要(和裁関係者)
これ以降は大変混み合うため、御朱印やお土産などは先に入手しておくと良いだろう。

着物形のお札と奪衣婆の御朱印
【左】手芸上達のお札(1500円)。中には奪衣婆の印が
【右】奪衣婆の御朱印。針供養の日は数量限定

甘酒献上・納針の儀

- 甘酒献上 -
ご本尊、針塚、綿のおばばの順に甘酒をお供えする儀式。

- 納針の儀 -
夜叉王姿の翁が、折れた針・錆びた針を土中の瓶へ納める儀式。

納針の儀
【左】納針の儀。人だかりで寄れない
【右】針を納める瓶

花見堂・針供養大法要

- 花見堂 -
お厨子の中に奪衣婆尊(綿のおばば)を小さくした像が祀ってあり、そのお神輿を花見堂という。八名の和裁生が花見堂を担ぎ、針供養大法要の行列をする。

花見堂の行列
花見堂。小さな奪衣婆像が祀られている
花見堂。小さな奪衣婆像が祀られている

- 針供養大法要 -
紙で作ったマスクを口につけ、綺麗な衣装を纏った和裁生が、針塚の前に百味香(ひゃくみこう)を供える。報恩感謝の心で針に感謝し、手芸の上達を願って法要を行う。

針供養大法要

終了

以上、正受院の針供養はこんな感じだった。

ちなみに筆者は妻の手芸上達をお願いしに行ったのだが、いまは裁縫する機会もなく、効果のほどは不明である。これから子供が幼稚園に上がるので、きっと裁縫する機会もあるはず。奪衣婆が本領を発揮するのはそれからだろうか(笑)

Posted by 米田むー

正受院の基本情報

所在地東京都新宿区新宿2-15-20 地図を見る
Tel03-3341-1416
最寄り駅東京メトロ/都営地下鉄「新宿三丁目駅」C7出口から徒歩6分
東京メトロ丸の内線「新宿御苑駅」1番出口から徒歩7分
正式名明了山正受院願光寺
宗旨浄土宗
創建年文禄3年(1594年)

一言コメント(4)

k子えー、やっぱりあの建物でしたか。
なんか遠慮しちゃって行けなかったんですよね…
今度行ってみますー

米田むーあー、確かに分かりづらいかも。
本堂の奥に二階建ての住居っぽい建物があるんですが、そこが寺務所も兼ねてるようです。住職がいて御朱印が貰えます。

k子週末に行ったら誰もいなくて、御朱印がもらえませんでしたー(;ω;)

米田むー正受院に電話して確認しました。
2018年の針供養も、2017年と同じタイムスケジュールで行われるそうです。


HN